接骨院・整骨院における構造設備基準とは?内装で満たすべきポイントを解説!

接骨院や整骨院では、構造設備基準を満たす必要があります。今回はこの構造設備基準について詳しくご紹介します。

接骨院の構造設備基準とは?

構造設備基準とは省令(法令で定められた基準)と、保健所で定められた指導基準があります。どちらも施術所の構造や設備に関する規定を定めてあるものです。

省令(法令で定められた基準 )

施術室の基準

・6.6㎡以上の面積を有する専用の施術室であること

・室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放できること。または、これに代わるべき適当な換気装置があること。(ドアは開放面積に含まない)

・施術に用いる器具、指手等の消毒設備を有すること

待合室の基準

・3.3㎡以上の面積を有する待合室であること

衛生上必要な措置

・常に清潔に保つこと

・採光、照明および換気を十分に行うこと

指導事項(基準)

指導事項は地域によって異なります。また、現場の保健所や担当者の裁量権に委ねられていますので、図面などを見せてそれぞれの自治体の保健所に問い合わせましょう。

O市保健所

ここでは、O市の保健所を例にご紹介します。

①施設の独立性

 住居や店舗等の一部を使用する場合、構造上、機能上独立していること。ただし、施術所内に居宅支援事業所等を設ける場合は、構造設備を一部共用してもよいこと。

②施術室について 

・ 待合室との区画が明確であること。固定壁による区画が望ましいこと。 

・ 免許所有者が 2 人以上であって、あはき法と柔整法に基づく施術所の両方を開設する場合、専用の施術室をそれぞれ設置すること。

 ・ 無資格者による施術防止の観点から、施術者の人数に対し、ベッド数があまりにも多いのは好ましくないこと。 

・ 複数台のベッドを並べる場合、プライバシーの保護に配慮し、ベッド毎にカーテン、パーテーション等を設けること。 

③待合室について 

 あはき法と柔整法に基づく施術所の両方を開設する場合、兼用して差し支えないが、それぞれの施術室へ直接通ずる構造であること。

④消毒設備について 

・法令に規定される消毒設備とは、器具類の滅菌機器(オートクレーブ、乾熱滅菌器 等)、手洗場、手指消毒薬を想定するものであること。

・オートクレーブ、乾熱滅菌器等は、侵襲を伴うはりであって、繰り返し使用する場合に設置すること。その他の場合であっても、必要に応じて設置すること。

・手洗場とは、給水、排水の一連の設備が整ったものを想定するものであること。

・手指消毒薬とは、速乾性擦式消毒薬(アルコール製剤等)又は外用消毒薬(クロルヘキシジン・スクラブ製剤、ポビドンヨード・スクラブ製剤等)を指すこと。

 ⑤その他

・消火器、煙探知器、スプリンクラー等、防火に対する措置が執られていること。防炎物品を使用していることが望ましいこと。

・窓等により外部から施術所内部が見えるような構造の場合、すりガラスやブラインド等の配慮がなされていること。

・施術所における防犯対策が配慮された構造であること。

・施術録等、個人情報の管理が適切にできる備品等を備えていること。

 

接骨院の構造設備基準における3つの注意点

施術者が2人以上で柔整と鍼灸等を兼業する際の注意点

①基本的に施術室が2室で、それぞれ構造設備基準を満たすこと。(それぞれの施術室は最低6.6㎡の広さを持ち、外気解放もしくは換気扇、手指消毒設備が必要)

②カーテンやパーテーションなどで柔整室と鍼灸室を区分することを認めていない保健所が多い

③待合室から施術室への入り口はそれぞれに設ける。(待合室の面積の解釈も異なる)

④柔整師とマッサージ師との兼業は、柔道法とあはき法それぞれの法律に基づいた対応が必要なため、別室対応。

施術所の経営計画に関する注意点

施術所を開業したすぐの頃は、施術者が1人で柔整・鍼灸施術を行う場合は1室で兼務することが認められています。

しかし、経営が順調になり新たな施術者を雇用する際には、柔整室と鍼灸室を完全に区分する必要があります。保健所で変更手続きを行う際に指摘されることが多いです。

将来的に人員を拡大する予定がある場合は、設計段階から柔整・鍼灸の施術室への工夫を行い、予め基準に合った施設を設計しましょう。

開設届を提出する際の注意点

保健所への開設届は、開設後10日以内に提出します。自身で記入して保健所に提出しても、保健所による実地検査や改善指導を受け、レイアウト変更を余儀なくされる可能性があります。

あらかじめ、保健所に平面図を持参して建物の構造上の事情や施術所の状況を説明し、相談しておくことが大切です。建物の構造上の事情によっては柔軟に考慮してもらえることもあります。

開設届については、以下の記事も参考にしてください。

⇒接骨院・整骨院開業における開設届とは

まとめ【接骨院・整骨院は構造設備基準を守って開業を!】

今回の記事では接骨院や整骨院における構造設備基準についてご紹介しました。構造設備基準のうち「指導事項(基準)」は保健所によって細かい規定が異なります。事前に管轄の保健所に相談し、アドバイスをもらうようにしましょう。

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