整骨院の経営は厳しい?経営を安定させるためのポイント

柔道整復師を目指す人の数は年々増えており、それに伴って整骨院・接骨院の数も増加しています。そのため、せっかく独立開業しても「整骨院の経営は、思ったより厳しい…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、整骨院経営をしている方やこれから開業したいと考えている方に向けて、整骨院経営の厳しさや環境について解説していきます。

記事の後半では、経営を安定させるためのポイントや、これから新規開業する方が準備しておきたいことなども紹介しますので、ぜひご覧ください。

 

1.整骨院を取り巻く経営環境は厳しい

整骨院を取り巻く経営環境は、年々厳しくなってきています。その大きな要因として考えられるのは、柔道整復師数の増加です。

厚生労働省が平成30年度に発表したデータによると、平成30年の柔道整復師数は全国で73,017人。平成28年度と比較すると、4,897名増で増減率は7.2%にのぼります。10年前の平成20年は43,946人だったことからも、柔道整復師の数はどんどん増えていることがわかります。

さらに、柔道整復の施術所数は、平成30年で50,077か所になっています。平成28年が48,024か所だったことをみると、1年あまりで新たに2,053か所もの施術所が増える結果に。

(出典:厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」)

 

新たな施術所が増えている一方、倒産数も増加する結果に。2019年11月に帝国データバンクが発表した「整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査」によると、2018年の倒産数は過去最高の85件。10年前となる2008年は27件だったことから、倒産数は3倍以上になっていることがわかります。ちなみに、倒産しているのは負債「1000万円~5000万円未満」の小規模業者が多いそう。
(出典:帝国データバンク「整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査」

これらのデータからも、柔道整復師数と施術所が急増に伴って、倒産数も増えていることが読み取れます。つまり、「競合」が増えたため、経営が厳しくなってきているのです。

 

競合はなぜ増えた?

柔道整復師の数は増加したきっかけは、規制緩和に伴って専門学校が増えたことにあります。

かつて柔道整復師の資格を取るための専門学校は、全国でもごく僅かでした。養成施設の新規開設は、国により制限されていたのです。そのため、当時は全国で14校しかありませんでした。

平成10年を境に規制が緩和されると、専門学校開設が相次ぎ、平成25年には107校にまで増加。「柔道整復師は国家資格で安心できる」「独立開業しやすく、稼ぎやすい」といったイメージもあり、人気の職種になっていきました。

 

2.整骨院の経営が厳しくなる理由

整骨院の経営が厳しくなっている最大の理由は、柔道整復師数の増加と共に施術所が増え、競合も増加したから。

かつては整骨院の数も今ほど多くなかったため、他の整骨院との差別化を図らなくても経営が上手くいくような側面がありました。

そのイメージを持って「柔道整復師の資格を取得し、独立開業したい」と考える方も多いですが、施術所の数が増加した現在、安定した経営を行うのは簡単ではありません。

 

競合が増えたことで、患者が分散

整骨院の需要自体も高まってはいるものの、それを上回るスピードで柔道整復師が増加。いわば、整骨院業界は「需要過多」に陥っているのです。

その結果、経営が上手くいっている整骨院と、そうではない整骨院が二極化する事態に。

全体を見てみると、経営が上手くいっている整骨院は大型店舗やグループ店舗が多くなっています。このような大型店舗は、個人経営に比べて経営ノウハウや集客力があります。大型店舗が出店すると、これまで個人経営の整骨院に通っていた患者さんが流れてしまう恐れがあるのです。

保険請求に依存しておらず、自由診療メニューを確立している点も大型店舗の特徴です。「症状が改善するなら(良いサービスがあるなら)、保険診療じゃなくても受けたい」と考える患者さんは、意外と多いもの。大型店舗は多様なメニューを用意しているため、保険診療しか行なっていないような個人経営の整骨院は、厳しさを増しています。

また、経営分析や顧客分析を推し進めている店舗は、どんどん集客を伸ばしています。競合が増え続けている今は、療養費以外の収益を生み出す力が必要不可欠。リピート率を上げることはもちろん、自由診療メニューの確率や物販などが柱になり得る部分です。

保険診療以外の収益の柱を持っていない整骨院の経営は、年々厳しくなっていると言えます。

 

保険請求が厳格化されてきている

整骨院の施術は、全てが保険適応されるわけではありません。保険外の施術を保険適応にして、架空請求・水増し請求する整骨院もあり、国の保険請求審査は年々厳格化されてきています。

そのため、無理に保険請求を通そうとすると、不正請求の審査対象になってしまう恐れがあるのです。

保険請求が厳しくなった影響で、自費診療メニューに魅力がない整骨院では、顧客離れが起きています。これからの整骨院経営は、自院の「コンセプト」を明確にして自費診療へのハンドルを切れたところが強いといっても過言ではないでしょう。

 

これからの整骨院経営は、顧客分析力が必須に

これからの整骨院経営は、自分の院の強みやコンセプトを明らかにしていくことが重要です。しかし、いくら練り上げたコンセプトを打ち出しても、市場とマッチしていないと結果は出ません。市場を知った上で、自分たちの武器(強み)を伸ばしていくためには、マーケティングやリサーチをはじめとする顧客分析が急務。

とはいってもマーケティングは、幅広い知識や情報が必要なため一朝一夕にいくものではありません。そのため、顧客分析を効率よく行うなら、CRM(顧客管理システム)の導入が必要になってきます。

「利用する先生に、他の整骨院に負けない体制を作っていって欲しい」という願いを込めて、2021年4月にリリースされたのが「NOAH+」です。

NOAH+は、ジャパン柔道整復師会が開発・提供する顧客分析機能のついたレセプトサービス。レセプト作成が主なサービスだったNOAHに、マーケティングとリサーチ機能などが追加された総合経営支援システムです。

例えば、NOAH+を利用して顧客属性や曜日、時間帯を選ぶと、グラフが出力されます。期間を絞った売り上げ構成などもグラフで確認することも可能です。これにより、「どの自由診療サービスが、誰にどのくらい売れたか」を確認できるのです。

NOAH+を導入することによって自身の整骨院を利用する患者さんの年齢層や性別、施術内容などを正確に把握でき、「今後どのようなメニューやサービスを展開していくか」が明確になります。

NOAH+の詳しい機能や説明は、こちらのリンク先にありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

3.倒産してしまった事例

倒産してしまった整骨院に共通するのは、「技術はあっても、コミュニケーションは苦手」だったということ。人通りの多い有名な商店街に構える整骨院であっても、倒産してしまった事例があるほど。

逆にいうと、患者さんとのコミュニケーションは、費用をかけずにできる最も効果的な集客といえます。

 

4.【まとめ】経営を安定させるためのポイント

整骨院を取り巻く情勢や、経営が厳しくなっている理由について解説してきました。ここからはいよいよ、経営を安定させるためのポイントを紹介していきます。

【1:コミュニケーションを十分にとる】

患者さんと会話のキャッチボールできることが、安定した経営を目指すための必須条件です。会話を作っていけないと、なかなか集客に繋がりません。

コミュニケーションを取りやすくするためにも、顧客分析は効果的です。

【2:自費診療のコンセプトを明確にする】

自院に訪れる患者さんの性別や年齢、所得層などを分析し、市場にあった施術メニューを打ち出すことが求められます。そのためにも、マーケティングやリサーチを強化し、コンセプトと強みを知ることが重要です。

【3:ポジショニングを明確にする】

他の整骨院と比べてどう違うのか、を明確にしなくてはいけません。

例えば、予約サイトで居酒屋を探すとしましょう。「何が食べたいか」「どんな雰囲気のお店がいいか」「価格帯はどのくらいのお店か」など、さまざまな条件を元にお店を探すはず。それぞれのお店のコンセプトと他の居酒屋との違いがアピールされているからこそ、「この居酒屋にしよう」と決められるのではないでしょうか。

これは、整骨院も同じ。他の整骨院との違いや独自の強みを明確にアピールできないと、集客は難航します。

40代以上の女性がリラックスできる整骨院なのか。
30代の方が子連れでも訪れやすい整骨院なのか。

それによって、内装や接客の仕方、置いておく雑誌まで変わってきます。

【4:院内を清潔に保つ】

基本中の基本ですが、院内を清潔に保つことは最低限必要な心配り。どんなコンセプトでも、欠かせない部分です。

集客に苦戦している整骨院は、掃除が行き届いていないケースも。売上と院内の清潔さは比例しているといっても過言ではありません。

【番外編:他院の取り組み紹介】

番外編として、ある整骨院の取り組みを紹介します。

その整骨院では、流行っているイメージを与えるために、「今からお願いできないか」という当日連絡は全て断って、別日に予約を入れてもらうことを徹底しているそう。混んでいることを演出することで、結果的に患者さんが増え、繁盛しているのだとか。

もちろん、このやり方が合う整骨院もあれば、合わない整骨院もあるでしょう。ただ、こういった経営戦略を持っている院もあるのだと参考にしていただけると幸いです。

 

5.これから新規開業する方が準備しておきたいこと

最後に、これから整骨院の新規開業する方が準備しておくと良いことを紹介します。

【1:流行っている場所をよく観察する】

流行っている整骨院やお店は、流行っているだけの理由があります。集客のコツは、業界内外で学ぶことをおすすめします。特に飲食店は、整骨院以上に激戦。業界は違っても、集客のヒントは得られるはず。飲食店の経営戦略から学べるものは大きいでしょう。

【2:CRMを使いこなせるようにしておく】

厳しさを増す整骨院経営は、市場分析と顧客分析が何よりも重要です。顧客分析を効率よく行うなら、CRM(顧客管理システム)の導入が必要に。そのため、これらのシステムを使いこなせるようにするのが、経営戦略を練るための一歩です。

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競合が増えた分、整骨院の経営は厳しいかもしれませんが、集客を伸ばせれば安定して収益を上げていくことも叶います。そのためには、顧客分析をしっかりと行い、寺院のコンセプトを定めていくことが必要不可欠。

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