整骨院開業を徹底解説!どんな流れで進めるべきか、注意点は?

この記事では整骨院の新規開業を目指す方のために、整骨院を開業するまでの流れについて詳しく解説していきます。多くの方は実際に開業するといっても何からはじめたらいいのかわからないでしょう。是非この記事を読んで開業までの流れをイメージしてみてください。

開業までの流れ

まずは開業までの大まかな流れを頭に入れておきましょう。全体像が頭に入っていると、準備の段階ごとに自分がやるべきことがわかるようになります。

1、事業計画
開業コンセプト、ターゲットなどを定め整骨院のカラーを決めていきます。そうすることによって他院と差別化できるポイントが明確になります。

2、資金計画
開業に必要な資金を割り出し、自己負担分と借り入れ分をいくらにするのか慎重に計画を立てます。金融機関から借り入れ(融資)するための書類も作成します。

3、物件選定
整骨院開業の成功は物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。立地、家賃などの条件はもちろんのこと、市場調査も欠かせません。競合となる院はどれほどあるのか、人口分布とコンセプトの相性などを検討しましょう。

4、改修工事
整骨院は広さや区画分けに基準があります。整骨院の改修工事実績の多い業者を選ぶことをおすすめします。

5、治療機器
治療コンセプトに合った治療機器を選びましょう。治療機器メーカーやディーラーが主催する説明会などに参加すると最新機器についての情報を得られます。

6、スタッフ採用
整骨院経営をしていく上で、整骨院のコンセプトや接客方法を理解したスタッフを採用することは今後の成長を大きく左右します。

7、広告・印刷物
整骨院経営は開業後半年の集患が非常に重要です。集患につながる看板やチラシ、DMを制作しましょう。

8、集患
集患の施策は改修工事の段階から始まります。地域住民の方に興味を持ってもらい、開業後に順調なスタートダッシュを切れるよう集患プロモーション計画を立てていきましょう。

9、開業
いよいよ開業です。開業後は想定していなかったような苦労があるものです。院の理念をブラさない経営を心がけましょう。

その0 施術管理者要件について

「柔道整復師の資格があれば整骨院を開業できる」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。確かに少し前まではそうでした。しかし、平成30年からは柔道整復師の資格に加え、実務経験と施術管理者研修の受講が義務付けられたので、開業のハードルが少しだけ上がりました。

実務経験というのは、厚生労働省保険局が平成30年に発した「柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件について」によると、「受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所において、柔道整復師として実務に従事した経験であること。」と定義されています。

また、実務経験の期間は届け出を行う時期によって変わります。
・2022年(令和4年)4月から2024年(令和6年)3月までに届出する場合 2年間の実務経験
・2024年(令和6年)4月以降に届出する場合 3年間の実務経験

施術管理者研修というのは、柔道整復療養費の受領委任の取扱いを管理する「施術管理者」になるための研修で、これまでは柔道整復師の資格があれば施術管理者になれたのですが、研修を受けることによって施術管理者として適切に保険請求を行うとともに、質の高い施術を提供できるようにすることを目的として、新たに開業する際の条件として加えられまた。

実務経験と施術管理者研修の受講が義務付けられたことにより、従来の届出書類に加え、実務経験期間証明書の写しおよび施術管理者研修修了証の写しの添付が必要となるので、忘れずに準備しましょう。

その1 事業計画

スケジューリング

まず、目標とする開業日を決めましょう。そして、開業日から逆算してスケジュールを立て、必要な作業を順に割り当てていきましょう。初期のコンセプト設計や資金計画などは人によっては長期化してしまうこともあるので、期限を決めてやるようにしましょう。

コンセプトの設計

数多ある整骨院の中で頭一つ抜け、競争優位に立つためには強いコンセプトが必要です。コンセプトは施術内容に限った話ではなく、立地や内装、価格などでも打ち出すことができます。例えば、「アスリートに特化したメニューがある」「駅直結」「アジアンリゾート風の内装」「お得な回数券発行」など、コンセプトの切り口は様々あります。「これだけはどこにも負けない!」という強みを軸にコンセプトを打ち立て、他院との差別化をはかりましょう。

保険者への請求方法を決める

療養費の保険者(健康保険事業の運営主体)への請求方法を決めます。請求方法としては、療養費の請求業務を代行している柔道整復師会に所属するか、あるいは所属をしないで個人請求とするかという2つの方法があります。

柔道整復師会に所属すると、業務の効率化や、保険者からの入金管理が出来ますが、その分経費がかかって しまいます。 逆に、個人請求では経費を抑えられますが、レセプト送付や保険者からの入金管理などに時間と労力を使う ことになります。特に保険者からの入金管理を自身で行う際には、入金された金額と請求レセプトとの合致作業(付け合わせ)に時間と労力を使うだけではなく、入金額の不明確さが経営不振へ直結してしまう原因 にもなり得ます。 これらを踏まえ、柔道整復師会と個人請求のどちらにすべきか慎重に決めることをおすすめします。

その2 資金計画

事業計画をもとに資金計画を立てます。
開業に必要な資金としては、地代家賃、人件費、改修費、設備投資費、広告宣伝費、通信費などがあり、これらを自己資金と借り入れによって賄います。借り入れ方法としては、銀行や信用金庫からの融資以外にも、日本政策金融公庫の助成金制度があります。返済計画や利息などを吟味し、一番負担の少ない借り入れ方法を選びましょう。開業してから収入が安定するまでの運転資金も合わせて、余裕のある資金計画を立てましょう。

 

その3 物件の選定

物件を選定するにあたり、まずはターゲットを決めることが重要です。ターゲットによって通いやすい立地が異なるので、ターゲットの生活を知り、コンスタントに無理なく通えるような物件を選ぶとよいでしょう。以下では、おすすめとされる物件をいくつかご紹介します。

駅やバス停の近く

乗降客の多い駅であったり、特急や急行が止まったりする大きな駅前では、遠方からの集患が望めます。ただし、その分同業者のライバルも増えてしまうことや、テナント料が高めなことには注意が必要です。また、それほど大きな街でない場合は、駅が住宅地に近い立地であることが多いため、近隣住民や通学・通勤している人など幅広い患者層をターゲットにすることができるでしょう。

学校の近く

学校の近くや、通学路となっている場所では学生の来院が期待できます。特にスポーツ外傷を中心とした整骨院を開きたい場合におすすめです。

スーパー内

大きなスーパーであれば遠方からの集患も望めます。買い物ついでに寄ることもできますし、家族でスーパーに来た際に整骨院を知ってもらえれば、家族で来院してもらえる可能性もあります。
地域密着型のスーパーであれば、様々な年代の地域の方が通院しやすい環境を作ることができるでしょう。

住宅街

住宅街で開業するメリットとして、駅前より家賃を抑えることができる点があります。自宅開業を検討している人にもおすすめです。また、高齢者をターゲットにしたい場合にも、住宅街はぴったりです。駅前と比べると集患力は劣りますが、地域密着型の整骨院を開きたい方に適していると言えるでしょう。

また、物件選びの大前提として“商圏”があります。商圏とは、患者様が来院する事の出来る居住範囲のことで、売上げの予測や事業の成立性を図ることに役立てます。 整骨院の商圏は半径1Km圏内と一般的には言われております。その半径1km内の人口分布や地理的条件、地域の生活者の行動様式などを考慮して物件を選ぶ事を心掛けましょう。

その4 改装工事

物件が決まったら、必要に応じて内装工事を行います。居抜き物件であれば最低限の内装で開業できますが、他の業種で使用していた物件やスケルトン物件の場合は大掛かりな改装工事となります。

整骨院の改装工事では、患者様と施術者(つまり先生)の両方の視点で考えなくてはなりません。患者様の視点としては施術時のプライバシーの確保、快適さやリラックス感などを心がけ清潔で温かみのある内装を心がけるとよいでしょう。また施術者やスタッフの視点としては、動きやすい導線、受付や案内のしやすさ、十分な備品の収納スペース、ゆとりのある施術スペースなど、働いていてストレスのない内装を心がけるとよいでしょう。

ただし、何をやるにしてもお金がかかることなので、快適さを追求しすぎて過剰な内装になってしまったり、施術の充実をはかり必要以上の設備投資を行ってしまったりしないように、その後の経営を圧迫しない程度の無理のない予算で抑えるようにしましょう。

その5 治療機器選び

整骨院の施術内容としては手技療法が主流のため、病院やエステほどの多くの設備をあまり必要とせず、医療機器はあくまで補足的なものとして導入されます。しかし、医療機器の他にも施術用のベッドなども必要とされるので、トータルで考えるとそれなりの金額になります。

医療機器は新品を買う・中古を買う・リースで借りるなど様々な方法で揃えることができます。整骨院の中長期的な事業計画をふまえて、自院に合った最適な方法を選びましょう。

その6 スタッフの採用

整骨院のスムーズな運営のためには、優良なスタッフが必要です。受付や事務だけではなく、多くの患者様を相手にすることを想定して自分以外の柔道整復師の有資格者を採用することも考えられます。採用では求人媒体や医療関係専門の人材紹介などを利用する方法が一般的ですが、自院にマッチした人材を効率よくみつけるために信頼できる人材紹介会社を利用しましょう。

また、スタッフを雇わずに、整骨院を一人で運営するという方法もあります。一人の場合は人件費を抑えることはできますが、施術だけではなく事務作業や受付業務なども含めてすべてを自分自身で行う必要があるため、施術に集中できない可能性もあります。また、一度に多くお客様を相手にできないため、せっかくの需要があっても断らざるを得ないなど、いつまでの事業を拡大できない状況が生まれてしまいます。一人でやることが決して悪いとは言いませんが、長期的な視点でどのような整骨院にしていきたいかイメージして、理想の体制づくりを心がけましょう。

その7 集客

整骨院を開業したら、積極的に存在をアピールして知名度を上げていかなくてはなりません。整骨院の集客には様々な方法があるので、ここでは代表的なものをご紹介します。

チラシなどの広告を使った集客

新聞の折り込みやDMのポスティング、手配りのチラシなど昔ながらの方法は一定の効果があります。新聞の折り込みは新聞を購読している家庭に限定されてしまいますが、DMやチラシであれば地域の幅広い層に確実に情報を届けることができます。また、店の前で先生やスタッフや直接チラシを手配りすることで、どのような人がやっているのかがわかり、整骨院に対する安心感を与えることもできます。

詳しくはこちら!「接骨院での集客に効果的なチラシの配り方とは?」

ホームページやSNSによる集客

ホームページやSNSを活用した集客も効果的です。
ホームページは作成して終わりではなく、その後SEO対策(ユーザーがGoogleなどの検索エンジンで語句を検索した際、検索結果として上位に表示されることを目指すこと)などを行って、継続的に集客をすることが重要です。また、TwitterやInstagramなどのSNSなども併用して、まめに情報発信することも効果的です。

詳しくはこちら!「接骨院の広告には規制がある?ホームページの活用が集客のカギに!」

まとめ

整骨院の開業までの道のりはやることが多くて大変なことは確かですが、一国一城の主人として自分のペースで定年もなくいつまでも仕事ができることは、恵まれていると同時にやりがいもあると思います。

理想の整骨院を実現するために、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。
私たち柔整開業.comは、これから整骨院の開業を目指す先生のあらゆる悩みに寄り添い、開業までの様々な作業をサポートします。

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