接骨院の開業までの流れとは?必要な準備・手続きを1から解説!

柔道整復師の中には、接骨院・整骨院の開業を一つの目標としている方も多くいらっしゃると思います。一国一城の主となり、自分の腕一本で思うように仕事ができるのは、独立開業の醍醐味ですよね。しかし、いざ開業となると資金の調達や必要な事務手続きなどに忙殺され、思うように準備が進まないということもあります。

そこで今回は、接骨院・整骨院をスムーズに開業にするために、開業までの流れを一挙にご紹介します!

 

接骨院・整骨院を開業する流れとは?

接骨院・整骨院の開業までの流れは、大きく以下の通りになります。

 

開業の要件を満たす(柔道整復師の資格・施術管理者)

接骨院のコンセプトを定める

事業計画を作成する

資金計画を作成する

施術所の開業場所を決める

施術所の設計・内装工事を行う

医療機器を選定する

接骨院の開業手続きを行う

 

以下でそれぞれの手順を解説していきます。

 

開業の要件を満たす(柔道整復師の資格・施術管理者)

接骨院の開業には大きく2つのハードルがあります。1つは、柔道整復師の資格を持っていることです。中にはこの資格だけで開業できると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は他にもう1つ忘れてはならないハードルがあります。平成30年からは柔道整復師の資格に加え、実務経験と施術管理者研修の受講が義務付けられたので開業のハードルが少しだけ上がりました。

実務経験というのは、厚生労働省保険局が平成30年に発した「柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件について」によると、「受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所において、柔道整復師として実務に従事した経験であること。」と定義されています。

また、実務経験の期間は届出を行う時期によって変わります。

・2022年(令和4年)4月から2024年(令和6年)3月までに届出する場合 2年間の実務経験

・2024年(令和6年)4月以降に届出する場合 3年間の実務経験

施術管理者研修というのは、柔道整復療養費の受領委任の取扱いを管理する「施術管理者」になるための研修で、これまでは柔道整復師の資格があれば施術管理者になれたのですが、研修を受けることによって施術管理者として適切に保険請求を行うとともに、質の高い施術を提供できるようにすることを目的として、新たに開業する際の条件として加えられました。特に必要な実務経験の長さが2024年4月を境に変わるので注意しましょう。

 

接骨院のコンセプトを定める

接骨院・整骨院の数は近年増加の一途を辿っています。そのため、数多ある接骨院の中から選ばれるためには、コンセプトをしっかり定めて他院との差別化が必要になってきます。例えば、「アスリートメニュー充実」「アロマを焚いたアジア風の内装」「駅直結、深夜営業」など、他院では見られない特徴を前面に出し、地域のお客様に印象づけましょう。

 

事業計画を作成する

事業計画は開業前と開業後で分けて考えましょう。開業前の事業計画としては目標とする開業日から逆算して必要な作業を時系列に沿って具体的な日付に落とし込んでいきます。開業後の事業計画としては開業日から少なくとも半年後、できれば1年後までの集客目標を立て、目標値を達成するための施策を考えましょう。

 

資金計画を作成する

事業計画をもとに資金計画を立てます。開業に必要な資金としては、地代家賃、人件費、改修費、設備投資費、広告宣伝費、通信費などがあり、これらを自己資金と借り入れによって賄います。開業後しばらくは安定した集客が見込めないこともあるので、当面の運転資金は忘れずに用意しておきましょう。

 

施術所の開業場所を決める

接骨院の成功は、立地にかかっていると言っても過言ではありません。街の規模、アクセスの良さなどを考慮に入れるのはもちろんですが、競合となる院が近くにあるかどうかも重要なチェックポイントです。また、コンセプトや施術内容によってふさわしい立地も変わってくるので、オフィス街か住宅街かなどターゲットに合わせた場所に開業しましょう。

 

施術所の設計・内装工事を行う

接骨院の内装工事は、スケルトン状態から内装工事を行うか、居抜き状態から最低限の内装を加えるかのどちらかになります。接骨院という性質上、華美な内装や奇をてらったデザイン性の高い内装は避けて、お客様がリラックスできる清潔感のある内装にしましょう。また、接骨院は構造や設備などに細かい基準があるので、接骨院の工事実績の多い内装業者を選ぶことをおすすめします。

 

医療機器を選定する

接骨院の施術内容としては手技療法が主流のため、病院やエステほどの多くの設備をあまり必要とせず、医療機器はあくまで補足的なものとして導入されます。

医療機器は新品を買う・中古を買う・リースで借りるなど様々な方法で揃えることができます。接骨院の中長期的な事業計画をふまえて、自院に合った最適な方法を選びましょう。

 

接骨院の開業手続きを行う

接骨院の開業手続きは、以下の複数の団体に同時に行わなければなりません。

柔整師会入会申込 or 入会契約締結(柔整師会入会の場) 

レセプトシステムの導入に係わる契約(売買契約書・リース契約書(リース購入の場合)) 

各種共済番号の取得(柔整師会で手続きの代行を行う場合でも、書類の記入は必要です) 

開設届け提出(保健所)・受領委任契約厚生局) 提出先及び締切日

遅くとも開業1ヶ月前には各種手続きを完了させましょう。

 

接骨院の開業にかかる費用はいくら?

先立つもの=お金がないことには開業できません。ここでは、開業にかかる費用を項目別にご紹介します。全ての費用を合計して500万円〜1000万円というのが相場となっています。

物件取得費用

物件取得費用とは、店舗物件を契約するためにかかる費用を指します。店舗に限らず、不動産を借りる時には「敷金」「礼金」「仲介手数料」「前家賃(2ヶ月分程度)」がかかりますが、店舗の場合は敷金の設定が高額になっていることが一般的で、半年〜1年程度の敷金がかかるということもあります。

物件取得費用の合計は家賃にもよりますが、仮に月々の家賃が20万円とした場合、およそ200万円は最初に必要という計算になります。

内装工事費用

居抜き物件かスケルトン物件かによって大きく費用は変わってきます。居抜きの場合は最低限のリフォームとして50〜100万円あれば事足りるでしょう。スケルトンの場合は間取り変更や設備工事費なども含まれるので、200万円〜500万円くらいかかります。

機器購入費用

接骨院の施術に使用する医療機器はどちらかというと補足的なものなので、絶対に必要なものがあるということではありません。もし導入するのであれば、それなりに高額なので新品を買う以外にも中古やリースという方法もあります。購入するのであれば、1台数十万円から数百万まで価格には幅があります。他の出費との兼ね合いで無理のない範囲で導入しましょう。

什器・備品費用

施術に使用するベッドや椅子、受付で使用する棚や収納など、細々した什器・備品費用もかかります。一つ一つは高額ではありませんが、全て揃えると100万円くらいはかかります。

 

開業後の接骨院における3つの集客方法とは

接骨院は開業がゴールではありません。開業はスタートであり、開業後の安定した経営こそが接骨院の目指すべき姿です。そこで、安定した経営には欠かすことのできない“集客”についてもご紹介します。

Web集客

近年はインターネットを活用したWeb集客が主流です。SNSによる拡散や、ホームページのコンテンツのSEO対策、Googleマイビジネスへの登録など、様々な効果的な方法があります。ただし、Web集客をするには専門知識が必要になってくるので、専門業者に依頼することをおすすめします。

オフライン集客

チラシやDM(ハガキ)による集客も一定の効果を発揮します。特に高齢者をターゲットにしている場合は、地域密着型のオフライン(アナログ)集客が好まれます。店舗自体が広告となるような看板やのぼりを設置することも効果的です。

自費メニュー作成

接骨院や整骨院の施術を保険適用にする審査は年々厳しくなっており、さらに、今後も保険適用の範囲が狭まってくることが予想されています。そのような中で、接骨院や整骨院は生き残りのために他院と差別化した自院オリジナルの自費メニューを導入し、保険治療に頼らない経営を行う必要が出てきます。運動療法や産後ケアなど自院のコンセプトに合った自費メニューを展開させ継続的な集客を目指しましょう。

 

まとめ

念願の接骨院の開業ではやることが多いことも確かですが、いずれも一国一城の主としてスタートを切るために必要な作業なので、一つ一つ丁寧にクリアしていくことが大事です。接骨院をスムーズに開業させるために、ぜひ私たちを頼ってください。

私たち柔整開業.comは、これから接骨院の開業を目指す先生のあらゆる悩みに寄り添い、開業までの様々な作業をサポートします。事業計画のアドバイスから物件紹介、各種届出代行まで、広くお手伝いいたします。

接骨院の開業や分院出店の不安・お悩みは、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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