接骨院・整骨院の税金とは?個人と法人の違い・2つの節税対策を解説
目次
接骨院・整骨院を運営していくうえで悩まされがちなのが税金の運用です。整骨院の税金のルールは、所得税、消費税など、それぞれでルールが全く異なり、節税方法も個人事業主か法人化で大きく分かれてきます。この記事では、接骨院・整骨院の税金のルールや節税対策について紹介していきます。
整骨院での税金のルール
所得税
所得税は、営利企業と同じように「収入−経費」で計算されます。ただし、「社会保険診療報酬の所得計算の特例」をもとにした概算額による経費算入は認められないことになっています。
消費税
消費税のルールは以下の通りです。
課税対象の売上
自由診療報酬は、課税対象の売り上げとされています。
非課税対象の売上
保険診療報酬は非課税対象の売り上げとされています。
減価償却
減価償却とは、資産の代金を耐用年数に応じて分割し、毎年分割した分の費用を経費として計算するルールのことを言います。減価償却できる資産は業務に使われ、時間がたつにつれ劣化する資産に限られています。減価償却は耐用年数に応じ、適切に費用が分割されるため、期間損益を正確に算定することができます。整骨院・接骨院は適切な設備や工事が必須なため減価償却による正確な期間損益は必須です。ただし、減価償却の計算は購入したときとリース契約で異なります。
購入した場合
購入した際の費用化の計算方法は「定額法」と「定率法」の2つです。定額法では、購入金額を耐用年数で割り、毎年均等な額を払うことで計上します。定率法は「価値の減り幅がだんだん小さくなっていく」という仮定をもとに最初の期間だけ費用の割合を大きくし、年数がたつごとに費用の割合を小さくしていくという計上方法です。
リース契約をした場合
リース契約をした際の費用化の計算方法は、「リース期間定額法」です。この方法では、「リース総費用−残価保証額」をリース期間に照らし合わせて費用化します。例えば50万円の商品を20カ月契約し、残価保証額が0円だと仮定すると、
50万×12か月÷リース期間20カ月=30万円
30万円が年間の減価償却の計上額になります。
接骨院・整骨院における法人・個人事業主の税金の違いとは
所得金額に対する税目と税率
法人
税目は、営利企業と同様、事業税、法人税、住民税、地方住民税の4つが課せられます。所得金額に関係なく、全体の税率は約30%です。
個人事業主
税目は、所得税、住民税、事業税の3つです。税率は、住民税は一律10%、事業税率は3%ですが、所得税率は所得金額に比例して高くなります。段階は7つに分けられ最低5%、最大45%にまで分かれます。
社会保険の加入義務の違い
法人か、個人事業主かによって社会保険の加入義務が変化します。社会保険に加入していると、加入者の半額は事業所の負担になるため、加入義務の有無は人件費の額を大きく変えます。
法人
法人の場合は、必ず社会保険に加入する必要が出てきます。
個人事業主
従業員が5人未満なら加入する必要はありません。
所得分散に対する違い
節税対策の一つとして、所得を分散することで所得税率を下げるという方法があります。
法人
法人の場合、所得を会社のものと、事業主または家族の役員に分散することができます。
個人事業主
個人事業主の場合、法人のように会社と事業主または家族の役員に分散できません。分散できる対象者は、配偶者などの家族のみです。また、青色事業専従者給与は家族が整骨院などの事業に従事しているときのみに認められます。
決算月の設定についての違い
法人
決算月の設定は任意で決めることができ、変更も可能です。
個人事業主
12月末とあらかじめ決められており、変更は認められていません。
接骨院・整骨院における2つの節税対策とは
青色申告の優遇措置を利用する
繰越控除
この制度を利用すると、対象年度の赤字を翌年度以降の所得金額から繰り越し控除することができます。
個人事業主の場合は3年、法人の場合は10年間が繰り越し控除ができる期間に該当します。
30万円未満の少額減価償却資産の特例
固定資産の購入費用を一括で経費計上できる枠が10万円未満から30万円まで拡大することができます。
青色申告特別控除
現金支出を必要としない所得控除が受けられます。この制度は個人事業主にのみ適用され、控除額は10万、55万、65万の3つから選択できます。
法人化する
事業がある程度拡大していったら、個人で所得税を支払うよりも、法人化して法人税で支払った方が安価になることがあります。利益が500〜800万円ほど出ているのであれば、法人化することをおすすめします。
まとめ【接骨院・整骨院の税金に関する相談なら柔整開業.com】
以上が、接骨院・整骨院の税金ルールの説明や節税対策の紹介になります。税金のルールは、所得税・消費税・リース契約によってそれぞれで計算方法が大きく異なります。
それに加えて、個人事業主か法人化でさらに細やかな違いが生じてくるため、税を最小限に抑えるためには、それぞれの違いをしっかり把握しておく必要があります。優遇措置の制度を利用したり、法人化するなど、ケースに合わせた対応を行い、運営にかかる税を、最小限に抑えましょう。
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