鍼灸院開業する9ステップの流れとは?初期費用や注意点まで解説

鍼灸師の資格を取得した後、独立開業を目指す方も多いですね。独立開業を実現するためには、事前の準備が欠かせません。今回は、鍼灸師として独立開業を考える際に必要な準備や注意点、開業の流れについてご説明します。

鍼灸院を開業する9ステップの流れとは?

①開業エリアを選ぶ

鍼灸院を開業する際には、「施術管理者」の届け出が必要です。管轄する地方厚生局は地域によって異なるため、まずは開業する予定のエリアを確定させることが重要です。

②保健所に相談する

鍼灸院を開設する予定の場所が決まったら、地域の保健所など管轄機関に相談に行くことが重要です。相談内容は、保健所に提出する書類や施術スペースの構造や設備、鍼灸院の名称などです。各保健所は施設の基準や名称に関する規定を持っており、事前にこれらを確認しておくことが重要です。

保健所の基準を把握せずに内装工事を進めると、後で修正することになるかもしれません。施設の構造や設備は保健所の基準に合わせる必要がありますので、不明点があれば事前に相談することをお勧めします。

③「施術管理者」の届出

鍼灸師として開業するには、管轄地域の地方厚生局に「施術管理者」の届出が必要です。以前は国家資格だけで開業できましたが、療養費の不正請求が問題視されたため、新たな条件が追加されました。届出のためには、1年間の実務経験と施術管理者研修(16時間以上の講義を2日間以上受講)が必要です。

④事業計画・資金計画を立てる

鍼灸院の事業計画と資金計画をしっかり練り、資金調達の計画を立てましょう。

⑤設備構造基準を満たしたテナントを選ぶ

鍼灸院を開業する際には、法令や自治体の基準に合わせて、施術所の構造と設備を整える必要があります。以下は一般的に求められる基準の例ですので、開業地の自治体によって異なる可能性がありますので、事前に確認が必要です。

・専用の施術室が6.6平方メートル以上あること

・待合室が3.3平方メートル以上あること

・施術室の面積の7分の1以上を外気に開放できるか、適切な換気装置があること

・施術用器具や手指の消毒設備を備えていること

・常に清潔であること

・十分な採光、照明、換気が確保されていること

・施術所が住居や他の店舗から独立していること

・施術室と待合室が適切に仕切られていること(固定壁などで区切ること)

これらの基準を満たしていることを確認し、施術所の開設に取り組んでください。

⑥医療法や医師法に注意して鍼灸院の名称を決める

鍼灸院の名称を選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。

・医療機関や医師と紛らわしくなるような名前は避けること(例:「科」や「医」を含む名前は不適切)

・治療院を意味する表現や、流派や技術、経験などを示す内容は避けること

・患者に対する誤解を招かない明確でわかりやすい名称を考えること

これらの規則を考慮して、適切な名称を検討しましょう。

⑦内外装の工事・設備の設置

鍼灸院を運営するためには、以下のような設備が必要です。

・衛生設備

・施術台・枕・シーツ・タオルケットなどの備品

・施術室や待合室で使用する椅子・ソファー・スリッパなどの備品

・一般廃棄物と感染性廃棄物を分別するためのゴミ箱

・受付台・電話・レジ・パソコンなどの機器

・電気・水道・ガスのほか電話・ネット回線などのインフラ

・カーテンやブラインド

・書類や鍼灸に関するものを収納する設備

・セキュリティ関連の設備

・看板

これらの設備を整えることで、鍼灸院の運営を円滑に行うことができます。

⑧開業届の提出

開業する場合、開業日から10日以内に、開業者自らが開業場所を管轄する保健所に開業届を提出する必要があります。提出する書類は以下の通りです。

・開業届け書:開業者が記入し、署名・捺印したもの。

・施術管理者の届出書:施術管理者の氏名・住所などを記入したもの。

・許可等の確認書類:許可証や証明書、建設許可証などが必要な場合があります。

これらの書類を正確に整えて、開業届を提出しましょう。

⑨開業許可の取得

開業届が受理された後、保健所の監視員が施設の査察を行います。査察では、「施設が適切な構造設備を満たしているか」「防火設備や廃棄物の管理、セキュリティ対策が十分か」「広告が違法な内容を含んでいないか」などが審査対象となります。

⑩開業

保健所の査察で問題がなければ、開業が認められます。正式な開業前にプレオープン日を設けて、地域の人々に広告を行っても問題ありません。

鍼灸院の開業にかかる初期費用は500~800万円程度

鍼灸院を開業するためには、500万円から800万円程度の初期費用が必要です。この初期費用の内訳は、以下の6つです。

・物件取得費用

・施術機器の購入費

・ソフトウェアやシステムの導入費用

・スタッフの人件費

・広告宣伝費用

・開業後の1〜3か月分の運転資金

鍼灸院を開業する際の3つの注意点

資金計画を立てておく

開業には何よりも資金が不可欠です。開業後1〜2年間の資金計画をしっかりと立て、必要に応じて融資を検討することが重要です。融資を受ける際には、明確な事業計画や資金計画を示すことが有利です。

広告の内容に注意

開業を知らせることが大切ですが、広告はあん摩マッサージ指圧師等に関する法律(あはき法)で厳しく制限されています。許可されている広告内容は、業務・治療の種類、施術所情報、届出の旨、予約や施術の時間帯、出張施術や駐車設備に関することです。治療効果や料金は明記できませんので、広告作成前に法令を確認しましょう。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000205429.pdf

集客に力を入れる

患者が来ないと経営が成り立ちません。広告だけでなく、開業前にはSNSを活用して情報を広めたり、ホームページを作成したりするなど、インターネットを使った集客策も考えてみましょう。

まとめ【鍼灸院の開業なら柔整開業ドットコムまでご相談ください】

以上が、鍼灸院を開業する際の流れや必要資金などの紹介になります。鍼灸院を開業するには複数のステップが必要ですが、一人で全部済ませるのは大変ですよね。

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