整骨院は一日10人の来客数でもやっていける?月収シミュレーションと対策

目次
「整骨院を開業したいけど、毎日10人くらいしか来なかったら赤字にならないか不安…」
そう考えている方は少なくありません。
実際、整骨院の経営には家賃や人件費、保険診療の制限など、さまざまな壁があります。
しかし、10人という数字でもやり方次第で十分に利益を出すことができます。
整骨院は一日10人の来院数でも経営は成り立つのか?
整骨院に毎日10人来るだけでは利益が出ないと思われがちですが、コストや収益構造を見直せば成り立つ可能性は十分にあります。
保険診療中心だと利益が少ない
整骨院の多くは、健康保険を使った保険診療を行っています。
ですが、保険診療の報酬は国で決まっており、1人あたりの単価は低めです。
たとえば、初診で1,500円、再診で1,000円前後が平均的です。
このため、一日10人の来院で保険診療だけだと、月収が限られてしまいます。
つまり、保険診療中心では収入が頭打ちになりやすく、経営が苦しくなるケースが多いのです。
それでも成り立たせるには、自費メニューの導入や固定費削減などの工夫が欠かせません。
家賃や人件費の負担が大きい
整骨院経営では、毎月の固定費が大きな問題になります。
特に大きいのが「家賃」と「人件費」です。
駅近や好立地のテナントだと家賃が20万円〜30万円になることもあります。
また、受付スタッフや施術者を雇うと人件費がかさみます。
このような固定費をまかなうには、来院数を増やすか、単価を上げる必要があります。
毎日10人程度の来院数では、コストに見合う収益を出すのが難しいため、出費を抑える工夫が重要になります。
一人当たりの単価を上げれば可能性はある
一日10人でも、1人あたりの単価が5,000円なら1日5万円の売上です。
月20日営業すれば100万円の売上になります。
そのためには、保険診療に加えて、自費メニューを導入し、単価を上げることがポイントです。
自費メニューをうまく活用すれば、少ない来院数でも黒字経営は十分に可能です。
整骨院の一日10人で想定される月収シミュレーション
ここでは、保険診療のみ、自費メニューあり、地域差の3パターンでのシミュレーションを行います。
保険診療のみの場合の月収モデル
1人あたりの単価を保険診療で1,000円とした場合、1日10人×20営業日=200人で月の売上は20万円。
ここから家賃や光熱費、人件費を引くと赤字になる可能性が高いです。
このように、保険診療だけでは整骨院の経営を安定させるのは難しいと言えるでしょう。
そのため、自費診療とのバランスが重要になります。
自費メニューを組み合わせた場合の月収モデル
1人あたり平均単価が5,000円(保険+自費)なら、1日10人で5万円、月20日で100万円の売上になります。
ここから家賃15万円、人件費20万円、その他経費10万円を差し引くと、月に55万円の利益が見込めます。
自費メニューをいかに活用するかが、経営の安定に直結します。
ただし、継続して来院してもらう工夫も必要です。
地域による単価の違いで収益が変わる
都市部と地方では、同じ施術内容でも単価に差があります。
都心部では自費メニューを7,000円以上で提供できることもあります。
一方、地方では単価を上げると来院数が減るリスクもあり、慎重な価格設定が必要です。
地域のニーズや競合を調査し、適正価格を設定することが重要です。
自費メニューの内容や組み合わせも、地域ごとに最適化する必要があります。
整骨院が一日10人の来院でも利益を出すためのコスト管理法
収入が限られるなら、支出を見直すことが大切です。
固定費を最小限に抑える
最も大きな固定費である家賃は、場所選びで大きく変わります。
駅から少し離れた立地でも集客に成功している整骨院は多くあります。
また、施術ベッドや器具も中古を活用すれば初期コストを抑えられます。
スタッフのシフト調整で人件費を削減できる
一日10人であれば、常時複数名のスタッフは不要な場合もあります。
受付業務は自分で行ったり、予約システムを導入したりすることで人件費を抑えられます。
必要な時間帯だけアルバイトやパートを活用するのも効果的です。
人件費は毎月かかるため、見直しが経営安定のカギになります。
広告費をかけすぎない集客が必要
チラシやネット広告に過度な予算をかけても、来院につながらなければ費用対効果は低くなります。
口コミやSNS、地域イベントへの参加など、無料または低コストでできる集客方法を活用しましょう。
広告費は最小限にし、リピートにつながる施策に力を入れるべきです。
整骨院が一日10人の経営を支える自費メニューと単価アップのコツ
一人当たりの単価を上げることで、一日10人の来院でも安定した利益を確保できます。
整体や骨盤矯正などの高単価メニューを導入する
整体や骨盤矯正は、多くの患者が興味を持ちやすいメニューです。
特に慢性的な肩こり・腰痛などの悩みを抱える人には効果的です。
これらの施術は保険が適用されないため、自費で5,000円以上の価格設定が可能です。
見た目の印象や専門性の高さを打ち出すことで、高単価でも納得してもらいやすくなります。
EMSやハイボルトなど機器を活用して付加価値を上げる
電気刺激を与えるEMS機器や、痛みを改善するハイボルト治療器などを導入することで、施術に特別感が出ます。
機器を使うことで治療の幅が広がり、他院との差別化にもなります。
施術効果を実感しやすい機器は、リピート率の向上にもつながります。
高額な設備投資が必要な場合もありますが、中古やレンタルを活用すれば初期費用を抑えられます。
回数券やプリペイドの導入で客単価を安定させる
1回あたりの価格を少し安くする代わりに、複数回分を先に購入してもらう方法です。
これにより、1人の患者から得られる収益が安定し、キャンセルや来院数の変動リスクを減らせます。
割引率は小さくても、先払いによる資金繰りの安定効果は非常に大きいです。
また、信頼関係ができると、継続利用してくれる患者が増えやすくなります。
整骨院で一日10人の集客を安定させるためにすべきこと
毎日安定して10人の患者が来るようにするには、地道な集客努力が必要です。
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Googleマップの口コミを充実させる
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ホットペッパービューティーに掲載する
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地域密着型のチラシやポスティングを活用する
患者の多くが来院前にGoogleマップで整骨院を検索します。
良い口コミが多いと安心感を与えることができ、新規患者の来院につながります。
施術後に「よければ口コミをお願いします」と声をかけるだけでも、口コミ数は大きく増やせます。
口コミには「丁寧だった」「痛みが減った」など、具体的な内容が入るとより効果的です。
定期的に返信コメントをすることで、来院者との信頼関係も深まります。
ホットペッパービューティーは美容室だけでなく、整骨院やリラクゼーション業界でも利用されています。
新規の集客に強く、特に20代〜40代の女性層には高い効果があります。
キャンペーンやクーポンをうまく活用すれば、初回利用者を増やすことができます。
注意点としては、手数料がかかるため、集客数とのバランスを見て導入しましょう。
昔ながらの方法ですが、今も効果があります。
特に高齢者層やネットを使わない層には直接届く媒体です。
駅前やスーパーの近くに配布するだけでも、認知度アップにつながります。
定期的に配布することで、近所の人に「名前を知っている整骨院」として覚えてもらえます。
制作コストも比較的安いため、低予算でも始められるのがメリットです。
整骨院が一日10人からさらに増やすためのマーケティング戦略
今よりもう少し来院数を増やしたい場合は、マーケティング施策の強化がカギになります。
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InstagramやLINE公式での発信を強化する
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リピート率を上げる施策を行う
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紹介キャンペーンで新規を増やす
Instagramではビフォーアフター写真やストレッチ動画など、視覚的にわかりやすい内容が好まれます。
LINE公式アカウントでは、予約受付やクーポン配布、健康情報の発信が可能です。
これらのSNSは無料で利用でき、ファンづくりや再来院につながります。
「院の雰囲気がわかる」「人柄が伝わる」投稿を意識することが大切です。
新規集客よりも、リピートしてもらう方がコストがかからず、経営が安定します。
施術計画書や再来院の提案などを通じて、患者に継続の必要性を伝えることが重要です。
一人ひとりに合わせた説明を行い、信頼関係を築くことがリピートにつながります。
「なぜ今後も通った方が良いのか?」をしっかり伝えることが大切です。
既存患者が友人や家族を紹介すると特典がもらえるキャンペーンは、高い集客効果があります。
信頼している人からの紹介は安心感があり、初回の来院ハードルが下がります。
紹介された側にも特典を用意することで、より参加しやすくなります。
期間限定で行うことで「今のうちに使わなきゃ」と感じさせることもできます。
整骨院で一日10人ペースでの開業は成功できるか?
最初からたくさんの患者を集めるのは簡単ではありません。
初期費用を抑えれば黒字化できる可能性がある
開業時に必要以上にお金をかけすぎると、毎月の支払いが重くなり、経営が苦しくなります。
初期投資をおさえた開業なら、たとえ一日10人の来院でも黒字を出すことは十分可能です。
必要最低限の設備と、固定費の少ない運営がカギです。
立地選びが成功の鍵になる
良い立地はそれだけで集客力がありますが、家賃も高くなります。
逆に、住宅街の中や商業施設の近くなど、人の動線を意識した場所なら安価で効果的です。
「来やすさ」「わかりやすさ」「通いやすさ」を基準に選ぶと失敗しにくくなります。
地元に根ざした整骨院は、口コミによる集客力が強くなる傾向があります。
オーナー自身の技術と接客力が重要
一日10人しか来なくても、1人ひとりがリピートしてくれれば経営は安定します。
そのためには、技術だけでなく、信頼される人柄・話しやすさも大切です。
患者との関係性が深まることで、紹介や継続につながりやすくなります。
「この先生に見てもらいたい」と思われることが、成功への近道です。
まとめ:整骨院が一日10人でもやっていけるのかを現実的に考えよう
整骨院を一日10人ペースで運営しても、やり方次第で十分に経営を成り立たせることができます。
ポイントは「単価アップ」「コスト削減」「リピート率の向上」の3つです。
自分の地域や状況にあわせた戦略を立てて、無理のない形で成功を目指しましょう。
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